相続後も親の家に住み続けたいと考える人が増えています。
実家に愛着がある、生活拠点を変えたくない、親の介護をしていたなど理由はさまざま。しかし、相続には法的な手続きや税金の問題が伴うため、「住み続けたい」という気持ちだけでは済まないのが実情です。
相続発生後、最初に確認すべきこと
まず確認すべきなのは、親が遺言を残しているかどうかです。遺言書があれば基本的にはその内容に従って相続が進みますが、ない場合は法定相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。兄弟姉妹がいる場合、自分ひとりが実家を相続して住むためには、話し合いで同意を得ることが不可欠です。
実家の名義変更(相続登記)は必要不可欠
「そのまま住み続けているから大丈夫」と思っていると、後からトラブルになることがあります。実家に住むには、相続登記によって名義を自分に変更することが必要です。2024年4月からは、相続登記が義務化され、正当な理由なく放置すると過料の対象になる可能性もあります。
相続税の対策:「小規模宅地等の特例」とは?
親の家を相続する際、気になるのが相続税。しかし、特定の条件を満たすと「小規模宅地等の特例」により、土地の評価額を最大80%減額できる可能性があります。たとえば、被相続人と同居していた親族が引き続き住む場合などが該当します。条件に合うかどうか、事前に税理士など専門家に確認しておくのが安心です。
他の相続人とのトラブルを避けるために
「家は自分がもらうつもりだったのに、兄弟と揉めた…」というケースは少なくありません。親が元気なうちから、財産の内容や今後の住まい方について家族で話し合っておくことが大切です。特に実家を自分が相続して住み続けたい場合、他の兄弟姉妹の相続分に配慮し、場合によっては現金を渡す(代償分割)などの対応が必要になることもあります。
また、相続税の負担や不動産の分け方については家庭によって状況が異なるため、不安があれば早めに税理士や司法書士などの専門家に相談して、具体的な対策を立てておくことが安心です。
まとめ:住み続けたいなら、早めの準備と家族の話し合いを
親の家に住み続けるには、感情だけでなく、法的・税務的な手続きが必要です。後から「こんなはずじゃなかった」と後悔しないように、相続の基本的な流れを理解し、家族で共有することが重要です。住み続けたい気持ちを実現するためにも、事前の備えと丁寧な対話を心がけましょう。
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