一人暮らしの親が70代・80代になってくると、
「最近、元気がない気がする」
「体調が悪そうで心配」
「もしかして認知症?」
こうした不安から“同居”を考える人が、50代になると一気に増えてきます。
私自身も、義父と約10年間同居しました。
その経験から言えるのは、同居は優しさだけでは乗り切れないということ。
これから同居を検討している人へ、リアルな視点でアドバイスをまとめました。
まず伝えたいのは「同居は最後の手段」
最初にきっぱり言います。
同居は最終手段として考えてください。
結婚当初なら、価値観のすり合わせをしながら、
「やっぱり別々に住もうか」
という選択肢が取れます。
しかし70代・80代の親との同居は、
もはや後戻りが難しいです。
年齢的にも経済的にも、親が再び一人で暮らすのはハードルが高くなります。
同居は、軽い気持ちで始めるものではありません。
どんなに良い親でも、同居すると話は変わる
「実の親だから大丈夫」
「義両親と仲がいいから平気」
と思いたいですよね。でも……現実は違います。
私自身、一人暮らしが長く、たまに実親のところに帰省すると嬉しい気持ちになる反面、
2日で帰りたくなっていました。
理由はとてもシンプルで、
生活習慣が違うから。
例えば…
- テーブルの上に物が多くて落ち着かない
- 冷蔵庫の中がパンパンで賞味期限が気になる
- テレビを一日中つけっぱなし(しかも大音量)
- 掃除が行き届いていない箇所が多い
- 時間感覚が合わない
これらは親が悪いのではありません。
ただただ、別々に生きてきた結果、生活スタイルが違いすぎるだけ。
ましてや長年別の環境で生きてきた義親となら、なおさらです。
また特に高齢になると、
目が悪くてゴミや汚れがあることに気づかなかったり、
体が思うように動かなくて高い場所や奥の方まで手が届かないから、取りやすい位置に何でも置いたり、
耳が遠くなってるから、テレビは大音量、話すときも大声になったり、
体の動きが良くない、見えないから、トレイの使い方が汚くなったり。
短期なら耐えられても、これが2年、3年、5年、10年…となると、
小さな不満は確実に“ストレス”に変わります。
同居には「お金の話」が欠かせない
ここはとても大事なポイント。
義父は年金生活で一人暮らしが厳しくなったため、同居することに。
私たちも賃貸住まいだったため、義父を迎えるため広めの部屋へ引っ越し、家賃が高くなりました。
その結果、義父にも 月5万円 負担してもらうことに。
夫は最初嫌がりましたが、義父がそれまで払っていた生活費からすれば十分負担できる額でした。
そして実際、義父自身も「お金を払っている」という気持ちがあるほうが、精神的に楽だったようです。
同居は生活費が倍になります。
光熱費・食費・日用品・住宅費…。
だからこそ、無理のない範囲で親にも負担してもらう方が、
お互いの関係が健全に保てます。
“家庭内別居レベル”の距離感でちょうどいい
同居=すべてを一緒にする必要はありません。
むしろ、全部一緒にしない方が絶対にうまくいきます。
日用品はそれぞれ別
シャンプー・歯磨き粉など、使い慣れたものは誰だって違います。
費用負担も分けてOK。
食事は「1日3食全部一緒」は無理を生む
朝と夜だけ同じ、
昼は別にしてもらう、
外で食べてもらう、
お弁当にしてもらう…など。
毎日3食作るのは、やってみると相当な負担です。
例えば昼食を用意する必要があるとすると、「お昼までには帰らなきゃ💦」と自分の外出も落ち着きません。
食べ物の好みも違います。お互い、好きなものを好きに食べられるのも大切です。
ちなみに我が家では昼食は別でした。
義父はお昼になると、フラッと外に出て近所の定食屋さんで大好きな刺身定食を食べたり、喫茶店でゆっくりと新聞とコーヒーを楽しみながらランチを食べいたようです。
でも、年金が残り少なくなると、スーパーでお惣菜を買ったり、買い置きのパンを食べたりもしていました。
「さすがにパンだけって大丈夫かな?お昼ご飯、声かけてみようかな」と思う時もありましたが、お互いの距離感のためにも知らないふりをしていました。
今思い返してみても、それで正解だったと思います。
互いの行動を詮索しない
最低限のルール(夕食に帰る・遅くなる時は連絡など)だけ決めて、
あとは干渉しすぎない。
ヒマ過ぎて、ついつい他の人の行動が気になりがちな親のほうに
守ってほしいルールでもありますが(笑)。
ここは同居を円滑にする大きなポイントです。
一番大事:介護と施設入居への覚悟を持つこと
同居した以上、
親を最後まで看取る覚悟
は必要です。
でももう一つ重要なのは、
「限界が来たら施設に入ってもらう」という覚悟も同時に持つこと。
介護は想像以上に、身体も心も生活も削っていきます。
親の人生も大事ですが、
自分や配偶者、子どもの生活だって大事。
そのために、
- 施設費用のシミュレーション
- 家族信託や後見、代理人制度の早めの検討
- 本人との話し合い
これらをしておくと、後がぐっと楽になります。
まとめ:同居は“優しさ”だけでなく“現実”で考える
同居は、親を想う気持ちがあるからこそ考える選択肢。
でも同時に、お互いの生活、負担、将来をしっかり見据えて判断することが大切です。
私は同居を経験したからこそ、
「同居は最後のカード」
と強く伝えたいと思っています。
同居を考えているあなたの、判断材料の一つになれば嬉しいです。
