香典返しとは?
葬儀でいただいた香典に対して贈るお礼の品が「香典返し」です。
一般的にはいただいた香典額の「半返し」や「3分の1」が目安とされ、四十九日を過ぎてから郵送するのが昔ながらのスタイルです。
ただし地域や家庭の考え方で大きく変わり、葬儀当日にその場でお返しをする「即日返し(当日返し)」も広まっています。
「即日返し(当日返し)」を行うことが多い地域は主に関西地方と北海道、東北地方、そして一部の関東地方。タオル、洗剤、入浴剤、小分けのお菓子、紅茶やコーヒーなどの消耗品が主流のようです。
「あれ?香典返しが来てないかも」と思った体験
今年、私が参列した2件の葬儀。ひとつは叔父の葬儀で5万円を包みました。もうひとつは友人の奥様の葬儀で、1万円を包みました。どちらも喪主は50代、どちらも家族葬。
葬儀後、しばらく経ってふと「あれ?香典返し、来てないかも」と気づきました。特に不満があるわけではないのですが、自分の父の葬儀の際には、同じ金額をいただいた叔父に対してきちんと香典返しをしていたので、そういうことは義理堅いお家なのにと少し違和感を覚えました。
そこで調べてみたら、上にも述べた通り、最近は即日返し(当日返し)が増えているとのこと。確かに葬儀の帰り際、3000円くらいのお菓子を頂きました。なるほど、即日返し(当日返し)をしたんだ!と、納得です。
一方、友人の奥様の葬儀。ごく小規模な家族葬でしたし、香典額も多くはなかったので省略されたのだとこちらも納得。
自分が昔からの風習にこだわりすぎていたことを反省しました。
これまでにもらった香典返しの例
さてここで、私がこれまでにもらった香典返しを紹介します。偏るといけないので知人にも何人か聞いてみました。
- 葬儀当日:清めの塩、ハンカチやタオルなどの小物
後 日:バスタオル、お茶、海苔、カタログギフト、折りたたみ傘、、バスマットなど
香典額が少ない場合は返礼がないこともありました。事例は少なかったのですが、「当日返し」もありまして、私の場合はお菓子の詰め合わせ。知人の場合はカタログギフト(3,000円前後)を頂いたようです。
最近の風潮
改めて調べてみると、香典返しを省略するケースが少しずつ増えているようです。
理由は「家族葬だから返礼まではしない」「経済的な事情で難しい」「準備や管理が大変」などさまざま。
実際やってみてわかったのですが、香典返しは本当に面倒(!)です。
頂いた金額を確認して、半額程度の品物を選び、無事四十九日を終えたことを報告する文章とともに発送をする。香典返しが届くと、先方から令状を頂いたり、お礼の電話を頂いたりするのでその対応もあります。
また忘れてはならないので香典返しにかかる費用。葬儀に費用がかかるのは覚悟してたからいいのですが、1~2か月経った頃(=四十九日法要のあと)に発生する香典返しの費用は痛いです。葬儀で大金を出費したあとだけに金銭的にも精神的にもダメージ大きいです(笑)
あと、知人に聞いていくうちに知って驚いたのですが、香典返しそのものを知らない人がいたということ。
「必要だと知らない」のか「知っていて省略している」のか、
いずれにしても香典返しが省略されつつあるのが最近の風潮のようです。
香典返しをするなら百貨店から
香典返しが省略される方向にあると紹介しましたが、それでも香典返しは普通に行われています。そこで香典返しをする場合ですが、おすすめは百貨店です。理由は2つあります。
1つ目は 百貨店ならではの「格」。
年配の方や昔ながらの価値観を大切にする人にとって、儀礼的な贈り物は「どこで用意したか」も大事です。ギフトショップやネット通販より、老舗百貨店から届いた方が安心感や信頼感があります。
2つ目は ギフトサロンの存在。
百貨店のギフトサロンでは、カタログギフトやお茶・お菓子など定番商品が揃っており、スタッフが仏事にふさわしい品選びやタイミングの相談にのってくれます。さらに送付先リストを渡せば伝票入力まで代行してくれるところもあります。
「何を贈るか」だけでなく「どこから贈るか」によっても印象が変わります。迷ったら百貨店のギフトサロンを活用してみると安心です。
まとめ
香典返しが「あるのが当たり前」と考えていましたので、返礼が届かないケースは少し意外でした。ただ、それも最近の風潮や地域の違いによるものだと知り納得。そして香典返しそのものを知らない人もいれば、敢えて省略する人もいる。
家族葬、一日葬、直葬(火葬式)など葬儀の形式も多様化している現在、「香典返しは当たり前」という考えを捨て、もっと柔軟に対応していくことが必要だと感じました。

