「NISAって聞いたことはあるけど、自分に必要かどうかよくわからない」「年金って実際いくらもらえるの?」「なんとなく将来が不安だけど、何から手をつけたらいいの?」──そんな50代の方に向けて、今だからこそ始めたいお金と暮らしの備え方をお伝えします。
将来の不安は、「知らないこと」が原因のことが多く、情報を整理していくことで安心に変わっていきます。以下のような視点から、一つずつ確認していきましょう。
まずは「現状を知る」ことから始める
老後資金や年金の不安を解消する第一歩は、今の自分の経済状況を“見える化”することです。
- 「ねんきんネットhttps://www.nenkin.go.jp/n_net/」にアクセスして、自分の年金見込み額を確認する
将来受け取れる年金額の目安がわかります。配偶者がいる場合は、配偶者の年金額も把握しておきましょう。 - 遺族年金の仕組みと、おおよその金額も確認しておく
どちらかに万が一があった場合、残された側がどれくらいの収入を得ることができるのかを知っておくことはとても大切です。 - 退職金がどのくらい出るのか、勤務先に確認
定年時にどのくらいまとまったお金が入るのかを前もって把握しておくことで、今後の資産計画に役立ちます。 - 1年間、家計簿をつけてみて年間の支出を把握する
毎月の支出だけでなく、1年を通して「何にいくら使っているか」を知ると、見直すべきポイントが見えてきます。
見えにくい「将来の支出」も想定しておこう
老後の生活には、日々の生活費とは別にまとまったお金が必要になる場面もあります。
- 家の修繕費や、車・家電の買い替え
築年数が経てばリフォームも必要になります。車や家電も10年単位での買い替えが発生するでしょう。 - 子どもの結婚や出産で援助する可能性がある場合
親としてできる限りサポートしたいと思う人も多いでしょう。想定できる範囲で、気持ちとお金の準備を。 - 葬儀費用やお墓代、自分たちが亡くなった後のことも含めて計画する
葬儀には平均で200万円前後かかるとも言われます。最近は火葬式(直葬)や家族葬も出てきていますので費用はもう少し抑えられるかもしれません。葬儀社の事前相談などで見積もりを取ってみるのも一つの方法です。 - 医療・介護費も「どうなるかわからない」が前提
要介護になるタイミングや度合いは人それぞれ。いざという時に備えて、介護保険制度や施設の費用をリサーチしておくと安心です。
「これからどう生きるか」をお金と照らし合わせて考える
今後の人生設計を具体的に考えることは、老後の備えの柱になります。
- 何歳まで働くのか、その時の収入はいくらか?
パート、再雇用、個人事業、シルバー人材など、働き方の選択肢はさまざま。「65歳まで再雇用、70歳までパートで月6万円稼ぎ、75歳まではシルバー人材センターで月2万円」といった現実的な目標設定をしてみましょう。 - 今の生活水準を見直し、小さく暮らす準備を
たとえば固定費の削減や、不要な保険の見直しなども検討を。少ない支出で満足できる生活スタイルを整えておくことは、老後の安心につながります。 - 住む場所もライフプランに影響
持ち家で住み続けるのか?管理が楽なマンションに住み替えるのか?賃貸という選択肢も含めて、柔軟に考えておきたいところです。
少額でも「投資」を経験しておこう
退職金を受け取ってから投資を始めるのは、リスクが大きいとよく言われます。だからこそ、今から慣れておくことが大切です。
- NISA口座を開設し、少額から投資の経験を積む
NISAの積み立て投資枠を利用してS&P500やオルカンなどで月1万円程度から積み立てを始めたり、成長投資枠で株を購入し値動きや仕組みになれていくとよいでしょう。
楽天証券やSBI証券では1株から購入できる銘柄も多いので少額で株式投資を始められます。無理なく続けられる金額からスタートするのがコツです。 - iDeCoも選択肢の一つだが、利用には注意が必要
iDeCo(個人型確定拠出年金)は節税効果がある一方、原則60歳まで引き出せないため、50代後半から始める際は注意が必要です。加入期間が短いと受け取りが65歳以降にずれる可能性があり、退職金と同時に受け取ると税制面で不利になることも。受け取り方や時期によって課税額が変わるため、全体の資金計画を見ながら検討しましょう。まずは自由度の高いNISAなどから少額で投資経験を積むのがおすすめです。
→<お知らせ>2028年頃までに順次、iDeCoの見直しが行われるます。月々の掛け金の上限アップや受取時のルール変更等が行われるようです。 - “親切”の裏に落とし穴? 資産運用セミナー利用は正解か?
資産運用セミナーや無料相談を行う金融機関・ファイナンシャルプランナーの中には、「手数料の高い商品」や「保険販売」が目的のケースもあります。丁寧な接客に安心せず、その裏の利益構造に目を向けることが大切です。
自分のお金は自分で守る時代。まずは信頼できる情報を自分で集めましょう。
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まとめ:50代は「不安」を「準備」に変えられるタイミング
50代は、体力も気力もまだあり、子どもが独立し始めるなど、ようやく“自分のことを考える余白”が生まれる時期です。
「何となく不安…」で止まらず、
「何が不安なのか?」を言葉にし、「どうすれば安心か?」を一つずつ見つけていきましょう。
いきなり完璧を目指す必要はありません。
今日できることは、「年金額を確認する」「口座を整理する」「NISAについて調べる」など、ほんの小さな一歩だけで大丈夫。
未来の自分のために、今日から「見える化」と「仕組みづくり」を始めてみませんか?